徳之島徳洲会病院

百合澤順子

山崎理恵 はじめまして。
看護短期研修プログラム研修員の百合澤順子です。10月より徳之島徳洲会病院での地域医療研修をスタートしました。徳之島での研修が始まり約2ヶ月が経ちましたが、少しずつ島の雰囲気や病院勤務にも慣れ、休日は友人や地元の人たちと触れ合い、徳之島での生活を楽しんでいます。
今回GLOWに応募した最大の理由は、地域医療と国際保健の両方を学べる機会が設けられている点です。病棟勤務、国際保健活動、訪問看護の各3領域を最短で3~4ヶ月、最長で6ヶ月を希望に沿い学ぶことができます。
もともと国際医療・保健に興味があり看護を目指した経緯もあり、また今後地元の島根県の医療にも携わる可能性もあり、他の地域医療を学べるいい機会だと思い、応募しました。
今まで約4年間産婦人科病棟で助産師として勤務していましたが、GLOWの研修を通して徳之島に入り、医療だけでなく地域の特性を包括的に学べる点は大変興味深く、今までとは違った視点や気づきが得られます。

百合澤順子

現在勤務している徳之島徳洲会病院は一般病棟120床、医療料療養79床からなる徳之島では唯一の総合病院です。私が務める2階病棟(一般病棟とバースセンターの混合病棟)では、慢性的な医療者不足により、全国各地から医師・看護師・薬剤師・PT等、多くの医療スタッフが長期から短期スパンで島に応援に来ています。産婦人科医は常勤ですが、助産師の数は不足しているので看護師さんたちの協力を得ながら勤務をまわし、島のお産を守り続けています。
小児科医は常勤医師がいないので立ち替わり応援で診察に来て下さいます。離島医療の大きな特徴として、緊急時には受け入れ可能な県外や県内の離島へヘリ搬送となるので「重症化させない」「ハイリスク妊婦を安全に適切な分娩施設へ紹介する」があります。そのためのスタッフの判断と他医療施設との連携が大変重要になってきます。周産期の予期しない急変や異常に、自分が適切にすぐに対応できるのだろうかなどたくさんの不安もありますが、過去の医療状況からすると現状は大変恵まれていることに気づかされます。
常勤で産婦人科医がおらず、非常勤の医師と助産師のみでお産を扱っているときもあった様です。
患者様から「飛行機やヘリ搬送が可能になり救急車が港にとまることがなくなった」「産婦人科医がいるから安心してお産ができる」等の声を聞くと、今の状況が今こちらでできる最大限の医療なのではないかと気づかされます。「いない、何かがないから出来ないのではなく、いないからいる人でできることをする、ないからこそ知識や技術を身に付ける、工夫する」。できる人が知識や技術の共有をし、医療スタッフ皆で島の医療を守っているという実感が湧きます。
これから7月中旬までは徳之島徳洲会病院で地域医療研修を行う予定です。こちらでの学びや気づきを共有できる様、随時報告させて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

山﨑理恵

山崎理恵 フィリピンから帰国し、徳之島での勤務が再開して2ヶ月が経ちました。すでに春のような陽気になってきた最近の徳之島は、くじらウォッチングができる季節です。海をぼーっと眺めていたら、自宅の窓から、また病院の窓から、くじらの潮吹きやジャンプを見ることができます。
こうした自然とのふれ合いが徳之島の贅沢な島遊びです。そんな徳之島の医療について。徳之島徳洲会病院は島で唯一の総合病院として重要な役割を担っていますが、人材が不足しているため、島外からの派遣看護師や3ヶ月単位の応援看護師・医師で成り立っているのが現状です。私も含めて、外からきた医師・看護師は、最初は島の医療の現状に戸惑うことが多いです。一人が抱える患者さんの数が多すぎたり、できる処置が限られていたりして、島外の病院でできていた医療や看護ができず質の違いを、差を感じます。そして自分もそうだったように、そのことをつい批判しがちです。
でもそれは、島の医療が都会より遅れている、と安易に批判すべきことではないですし、島の医療者が怠けてきたのかというと、決してそうではありません。

山﨑理恵

数日前に80歳台の患者さんが「昔はこの島に病院なんてなかったから、酸素や点滴の治療があるなんて知らなかったよ。生まれて初めて見たよ。」と話していました。簡単な怪我の処置をできるくらいの診療所しかなかった島で、今では酸素・点滴による治療はもちろん、CTやMRIも、心臓カテーテル検査、内視鏡検査など、なんでもできるようになったことは大きな進歩であり、その進歩は島民や島の医療者・病院スタッフの努力によって支えられながら、やっとの思いで辿り着いた「今」なのです。
島の医療の現状を「点」ではなく「線」で見る視点が必要で、都会の病院のやり方を押し付けたり、できないことばかりに目を向け安易に批判するのではなく、人材や資源の限られた島で、島民の生活や文化・価値観を尊重した上で、少しでも島の医療を改善するために何ができるのか、考えることが必要だと思います。
それは、文化や生活が日本と大きく異なる海外で活動したときに感じたことにも似ています。
その土地を知ること、好きになること、敬意を払うこと。その過程の中でしか、本当の意味での貢献できないのではないかと、改めて感じる今日この頃です。

山﨑理恵

山崎理恵 GLOW研修員 山崎理恵です。徳之島に来て4ヶ月を過ぎた頃から少しずつ島のことが分かってきました。病棟で勤務しながら感じたこと、患者さんや家族から得られた情報はもちろん、病院の外で出会った人からお話を聞いて得られる情報や、また先日は徳之島保健所の保健師さんからも話を伺い、少しずつ地域の情報を把握しはじめたところです。
病棟勤務をしながら地域に目を向けるということは今までになかった視点でしたし、なかなか簡単なことではありませんが、GLOWのサポートのおかげで目的意識を持って仕事に臨むことができています。
今後は得られた情報を整理したり、問題点や改善点について考察していきたいと思います。
今後控えている海外研修や訪問看護研修も今からとても楽しみです。島生活を楽しむことと仕事とのバランスをとって充実した研修になるよう頑張りたいと思います。

山崎理恵

横手春子

横手春子 GLOW研修員の横手春子です。ケニアでの海外研修を終え、1月から徳之島にて訪問看護の研修を開始しました。医療人材やインフラが限られているこの島で、訪問看護の存在はとても重要です。まだまだ分からないことばかりで「訪問看護とは」なんて大きなことは語れませんが、その魅力は実感しています。その魅力の一つは、患者さんの本来の姿を見られることです。どの様な空間で生活していて、何を生きがいにしているのかが分かります。そして、病棟ではどうしても「肺炎の人」「○○号室の人」となってしまう事が増えてしまいますが、訪問看護では「お父さん」や「おばあちゃん」というその方ご本人の役割がしっかりと見えてきます。
「孫がね、『じぃーじぃー』って言って走ってくるんだよ。可愛くてね。僕の生きがいだね。」そう言ってにっこりとほほ笑んだのは、脳梗塞に倒れ半身まひを患った患者さんでした。
訪問のたびに 「車の運転気を付けてね」「来てくれてありがとう」と声をかけてくださるとても優しい方です。この方の素敵な笑顔を支えているのは、一緒に暮らしているお孫さんの存在です。ですから、出来る限り健康に自宅で過ごせるようにサポートすることは訪問看護の大切な役割です。このように、その方の本来の姿を知ったうえで、「では私にできる事は何だろう?」と考えることがとても楽しいです。

横手春子 そして、その笑顔に少しでも貢献できたと感じるとき、看護師としてのやりがいを感じます。
国際保健分野を志す私にとって、この訪問看護の経験が今後どのように役立つのか今はまだ予想できません。ですが、広い視野を持ち、私なりの方法でこの場に貢献できるよう、そして、この経験が私自身の大切な財産となるように活動していきたいと思います。

横手春子

横手春子 横手春子です。徳之島での研修を開始して5ヵ月が経過しました。5ヵ月経ってもまだまだ驚きを提供し続けてくれるこの島での研修は本当に充実しています。台風シーズンは、シーツもオムツも薬も、全部節約!!(船が来ないと届かない…)日勤で最高18人の受け持ち!!(未経験の人手不足状態…)初めて看るハブに咬まれた患者さん!!(ハブの怖さを実感…)病室の虫駆除も大切なお仕事!!(豊かな自然の証でもあります…)

横手春子

物が不足してるってこういうことか医療者不足してるってこんなに大変なのか。異なる土地の人間が入るってこういうことか。今まで客観的に見聞きしていたものを、今まさに体感しています。
こういった発見の繰り返しが、国際保健分野を志す者としての成長を促してくれています。10月の海外研修開始まで残り少し。病棟看護師としても、研修員としても、島を楽しむ者としても、毎日を充実させたいと思っています。