北海道社会事業協会余市病院

余市病院 余市病院

余市病院

余市(よいち)町は、北海道札幌市から北西へ車で1時間、観光で有名な小樽市からは30分、積丹半島の東の付け根、積丹に向かう国道229号線が、ニセコ・函館に向かう国道5号線と分岐する交通の要衝に位置する人口約2万人の町です。町の北側は日本海、他の三方はゆるやかな丘陵地に囲まれ、ワイン用ブドウやリンゴなどの果樹を始めとする、山海の恵みがとても豊かな所です。
余市病院は北後志5ヵ町村(余市町、積丹町、古平町、仁木町、赤井川村) 約3万人を診療対象としています。当院は本格的な入院診療に対応できる圏内唯一の、かつ公的病院(日赤、済生会と同様の素性をもつ北海道限定の組織)として、各診療科、急性期、回復期リハ、慢性期(障害)、健診、時間外救急(一次~三次の一部)、訪問診療、在宅看取り、介護施設等のバックアップなど、生活圏に必要なあらゆる医療ニーズに応えるよう努力しています。昨年、「地域医療国際支援センター準備室」を設立しました。これは、国内外の地域で働く医療従事者の支援、質の高い各種研修プログラムの提供、アジアを中心とした国際支援、を柱に活動することと同時に、地域における医療人確保を企図した画期的な試みです。 国内外から幅広く参加者を募るとともに、余市病院の職員においても、一人一人が貴重な戦力であり財産ですので、積極的にセンターを活用した研修を勧奨・支援していきます。
さらに地域振興の要諦は「人をまもり、人を育てる」との考えから、地元中学生へのBLSの出前講習を、救急隊と合同で年数回実施してきました。今後は余力ができ次第、学習指導を行って、地域医療を担う人材を余市から輩出することを夢見ています。

受け入れ診療科

内科(一般、消化器、循環器、脳神経)、総合診療科、小児科、産婦人科(分娩は扱っていません)、外科(消化器、呼吸器、一般外科)、心臓血管外科、整形外科、リハビリテーション科、眼科、泌尿器科、人工透析センター、脳神経科

プログラムの特徴

余市病院 研修者の希望、経験にあわせて、最適な研修内容を選択/調整します。余市病院は、救急を含めた各科外来、急性期病棟/回復期リハビリ/障害者病棟、と、集中管理や手術を含む急性期から慢性期さらには在宅まで、幅広い疾患/病状に対応しています。また余市町内にある恵泉マリア訪問看護ステーションと連携し、在宅での看取りを含めた訪問看護の研修を行います。海外研修中の社会保障は病院負担で、また研修手当として8万円/月が支給されます。余市での研修が、地域の医療・保健・福祉を支える総合的な視野を持った医療従事者への第一歩となるよう、総力を挙げてサポートします。

病院スタッフからの声

吉田秀明
余市はよく「あまる市」と言われることがありますが、「よいち」と読みます。町は小樽市から車で約30分、札幌市中心部からは約1時間の距離にあります(4年後には高速道路ができ20分程度短縮されます). 診療対象人口は余市町、仁木町、古平町、積丹町、赤井川村の北後志5ヵ町村、3万1千人です。当院は地域の基幹病院で、診療は、1ヶ月平均50台の救急車受け入れをはじめとする救急・一次医療のみならず、二次、疾患によっては三次までに対応するという専門性を有しつつ、リハビリ/慢性期から在宅対応(含むIVH・看取り)、あるいは訪問看護ステーション、介護施設とも連携するなど、生活圏に必要とされる医療の要素をすべて実践すべく努力しています。
このように余市病院は、単なる「田舎の診療」ではなく、限られた人員、設備、環境の中で日本標準レベル以上の診療を展開していますので、地域医療や総合診療の研修にはもってこいの環境にあります。
昨年準備室を立ち上げた「地域医療国際支援センター」について説明します。これは、国内外の地域医療に進むことを希望するすべての医療人を対象にしていますが、余市での地域医療研修を通して、各個人の知識や技術を再確認しレベルアップすることと、国内外の地域医療に関わる医療人を確保することを目的としています.ことに海外で地域医療を実際に行うためにはどんな準備が必要か、バックアップ体制をどうするか、など様々な問題点を浮き彫りにすることで、おもにソフト面での準備が格段に整いやすくなることが期待されます。また、交流を通じて私的/公的ネットワークが拡がることから、緊急時等の交替要員確保などがスムーズに行えるという利点もあります.センターはこういった仲間達を、医療面のみならず生活面と精神面でサポートするベースキャンプにしたいと考えています。
当初は余市病院附属の扱いですが、できるだけ早いうちに独立した組織にする予定です。
最後に、当院は札幌市内大病院の「地域医療研修協力病院」として、初期研修医をこれまでに140名ほど、これとは別に医学部実習で5年目医学生を40名、3ヶ所の看護学校から実習生を年間100名超、リハビリ(PT,OT,ST)でも年間10名程度の実習生を受け入れてきました。私達は彼らの指導を行うとともに、彼らから多くのものを学びました。皆さんも余市で研修しつつ若い医療人を指導し、かつ、エネルギーを充填していただければと思います。

工藤千春

工藤千春
私は北海道の西側、積丹半島の入口に位置する余市町出身です。積丹を知っていますか?積丹ブルーと呼ばれるとても綺麗な海です。余市町はその海の幸と合わせてサクランボ・林檎・葡萄はもちろんプルーン・ブルーベリーなどの山の幸も豊富な美味しい町です。また、平成26年秋のNHKの朝のテレビ小説「マッサン」の主人公竹鶴政孝氏がウイスキーを育てた町です。ちょっと地元自慢をしてしまいましたが、北海道の中でも四季が穏やかにそして鮮明に感じられる大好きな土地です。私が隣町の小樽市の看護学校を卒業し、当院に就職したのが1990年のことです。それから早いもので20数年が経ちました。
現在、手術室に勤務していますが、外科・整形外科・心臓血管外科の手術をベテランのNsとCEと共に「安全・安楽・安心」をキーワードに日々より良い看護が提供できるよう頑張っています。また、一般業務以外に中学生・高校生のインターンシップの受け入れ、地元中学校への一次救命授業や区会への健康相談・講演、看護の日の健康まつりなど、地域に密着した看護活動に関わり、忙しくも充実した毎日を送っています。
また看護部全体では、24時間365日救急に対応していることから、多様な疾患の急性期から在宅を考えた回復期、小児から高齢者まで看護を展開し精通できるのが強みとなっています。教育に関してはクリニカルラダーにそった研修を行い、新人にはプリセプター、プリセプターにはバックアップナースというようにフォロー体制が充実しています。当院は規模が大きくない分、新しい意見やプランを積極的に取り入れることができます。是非一緒に地域の人たちがいつでも安心できる医療・看護を実践していきましょう。
お待ちしています。

森博威

森博威
森博威 私は沖縄で内科、消化器、感染症の基本的な研修を修了し、宮古島、福岡で離島、地域医療に携わった後、熱帯医学の研修、教育で有名な、タイ、マヒドン大学熱帯医学部の大学院に入りました。熱帯医学の現場は、その土地での地域医療でした。水、食事、住居、衣服、安全の確保、医療制度、薬の質も重要な因子で、途上国の医療を考えた場合、バランス良く行政、公衆衛生、臨床、研究を複合的に考えていく必要を感じました。一方で日本の地域治療、医療崩壊の一番の問題は人手不足です。中小救急病院に人が足りない。また現場で人を育てる実践的な研修プログラムが不足しています。余市は札幌から一時間半という好条件の場所にありながら、余市協会病院では医師、看護師は不足しています。厳しい状況にありながら、救急を断らない、スタンダードな質の高い医療を行い、積極的に外に出たい、良いものを取り入れて、国際的にも交流、支援を行いたいという皆の熱い思いがあり、その思いの中から地域医療国際支援センター準備室は立ち上がりました。余市から世界へ、地域だからこそできる最善の医療を目指して、国内外の地域で働く医療従事者の支援、質の高い各種研修プログラムの作成、国際支援を柱に活動を行っています。
院外からの研修者の受け入れ、勤務部署の調整、生活のサポート等、快適に余市での地域医療研修ができるよう全力でサポートします。なんでもご相談下さい。