第3回GLOW短期集中セミナーレポート

去る9月13日~15日、東京都代々木の国立青少年オリンピック記念センターにて第3回GLOW短期集中セミナーが開催されました。「日本・開発途上国の健康とコミュニティ開発」を全体のテーマとして掲げ、コミュニティに高い関心を寄せる、延べ31名の方々にご参加頂きました。以下、各日程ごとに内容についてレポートいたします。

【1日目】-------------------
1日目は国際保健・地域医療総論『アジア・日本の高齢化とコミュニティづくり』として、様々なフィールドでの最先端の実践について3名の先生からご講演頂きました。studio-Lの西上ありさ先生からは、地域の課題をデザインで解決しようとするコミュニティ・デザインについて、島根県海士町や福島県猪苗代町の実践を交えてお話頂きました。地域について最もよく知る住民の主体形成を支援しながら地域課題を解決できるよう仕掛けていくことで、地域の健康や暮らしを改善できる具体例を知り、保健医療分野におけるデザインの可能性を感じました。

東埼玉総合病院地域糖尿病センター センター長・地域連携室代表の中野智紀先生からは、限られた医療資源や深刻な高齢化へのアプローチとして、埼玉県で実践されている先駆的な地域包括ケアシステムの取り組みを話して頂きました。病院だけではなく、地域を支える住民が主役となった取り組みは、高齢者だけでなく地域全体を守ることが可能になるという視点を再認識できました。

第3回GLOW短期集中セミナーレポート

東邦大学社会医学講座講師の松本邦愛 先生には、急都市部で急速に進行する日本の高齢化ですが、高齢者の生きがいや新たな産業の可能性があることを、最新のデータを基に議論して頂きました。
また、タイ等のアジア諸国も追って高齢化社会を迎える中で、日本の経験を世界に発信していくことの必要性や責任も実感することができました。日本が抱える超高齢社会の問題は、まさに世界最先端の健康課題であり、その実践を深く知ることは国際保健の課題解決にも繋がると感じた1日でした。

【2日目】-------------------
2日目は株式会社JINの開発コンサルタントである、半田茂喜先生と中西政文先生をお招きし、「コミュニティ開発」の現場で用いられるPRA(Participatory Rural Appraisal参加型農村調査法)の手法について学びました。手法の背景概念や、オリンピックセンターをフィールドと見立てたケーススタディを通じて、PRAの理解を深めることができました。参加者の方々からは、「手法を理解し身につけることができた」という声に加え、「PLA/PRAを通じて住民と共に考え・学ぶプロセスが大事であることがわかった」との声を頂きました。

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【3日目】-------------------
3日目は昨年度の短期集中セミナーに引き続き、「被災地の今」にスポットをあてた講演を行いました。岩手医科大学 いわて東北メディカル・メガバンク機構の佐々木亮平先生からは、「震災から3年が経過し、目に見えない健康問題が増えている。仮設住宅に居住する住民、精神障害者といったわかりやすい対象だけではなく、全市民を対象にした取組が必要」、「はまってけらいん、かだってけらいん(一緒に集まって話をする)」を合言葉に、ハイリスクアプローチを超えたポピュレーションアプローチの重要性を訴えられまし社団法人キャンナス東北 野津裕二郎先生からは、津波によって地域の地縁が失われた牡鹿半島でコミュニティ・サロンを中心に、高齢者が生き生きと集い活躍する現在を示して頂きました。 パネルディスカッションでは災害慢性期を迎えた今、発災直後から現在まで被災地の現場で支援を行う実務者の苦悩と挑戦が垣間見れた内容となりました。

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