第2回GLOW短期集中セミナー

2013年9月21日~23日の3日間、第2回GLOW短期集中セミナーが開催され、北は北海道から南は沖縄まで、総勢32名の方々にご参加頂き、大盛況のうちに幕を閉じることができました。初の試みであった3日目の公開講演会には、当初広すぎるかもしれないと懸念していた会場が埋まるほど多くの方にご参加いただき、参加者の皆さまと共に大変有意義な時間を過ごすことができたことをスタッフ一同大変嬉しく思っております。以下、各日程ごとに会場の様子をレポートいたします。

【1日目】
国際保健・地域医療総論 『健康の社会的決定要因Ⅰ』の講義では、厚生労働省の田中剛先生より、公共政策に携わるお立場から、所得や社会的階層の違いから生じる「健康格差社会の現状」やマクロ(国)、メゾ(地域、コミュニティ)、ミクロのそれぞれのレベルからの対策、公共政策ツールとしてのソーシャルキャピタルのお話しなど、理論と実践を結ぶ大変示唆に富むお話しを頂きました。『健康の社会的決定要因Ⅱ』の講義では、金沢大学、坪井宏仁先生より、人間の健康についての「生物・心理・社会モデル」のお話しをして頂き、実際のバラエティに富んだ研究データを示しながら社会経済的要因(Social Economic Status)がいかに人間の疾患の発病や健康行動、心理社会的状態に影響を及ぼすか、という「Social Determinants of Health」の議論の論拠となる非常に重要なお話しをして頂くことができました。
『健康の社会的決定要因Ⅲ』では、WHO神戸センターAmit Prasad先生より、WHOが、どんな自治体や国の政策当事者が利用できるために近年開発した、アーバンハートという、都市部の健康格差の特定と是正に活用できるHealth Impact Asessment Toolのお話しを、大変分かり やすい英語でご紹介頂くことができました。

第2回GLOW短期集中セミナー

【2日目】
マネジメントスキル『地域診断ワークショップ』では、国立保健医療科学院の石川みどり先生を講師にお招きし、GLOW研修員が実際に研修をさせ頂いている長野県佐久市、鹿児島県徳之島町 を事例として取り上げ、健康に関する統計情報やその背景となる社会的要因に関する情報収集を行い、コミュニティアズパートナーモデルを用いた系統的な分析を行い、健康問題を抽出するというトレーニングを行いました。実際に情報分析をする中で、地域によるデータの種類や数の違いを実感したり、一見同様の健康課題を抱えているように見えても背景にはそれぞれの地域特性があるということを、グループメンバーで力を合わせ導くことができました。 さっそく参加者の方からは「自分の地域に帰ってさっそく地域診断をしてみようと思う」などのお声を寄せて頂き、大変実践力の向上につながる演習となりました。

第2回GLOW短期集中セミナー

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【3日目】
地域医療の取り組み、『被災から2年.地域医療の復興』では、石巻開成仮診療所の長純一先生より、仮設住宅という新たに形成されたコミュニティでの大変チャレンジングな「コミュニティ・生活支援、地域包括ケアシステムづくり」というものを通した被災地の方々の健康の改善という、私たちが普段取り組む地域医療の話に普遍的に通じる示唆に富んだお話しをお聞かせいただきました。
また石巻市保健所の津田真知子先生からは、実際に先生が病院で看護師として被災された際、医療者として地域の方々の生活をいかに限られた資源の中で支援されてきたかという大変貴重なお話しをして頂くことができました。同じく石巻市保健所の武田智枝先生からは、実際に保健師として地域に入りこむ中で直面した被災が地域の住民の方々に及ぼした様々な影響(ストレスの増大からくる慢性疾患の重症化・精神疾患の発症、近隣トラブルの発生など身体的影響から社会的影響まで多岐にわたる)について実例を交えながら貴重なお話しをお聞かせいただくことができました。
雄勝診療所の小倉健一郎先生のお話しからは、実際に被災直後から先生が雄勝に赴任され、「風の人」でありながら地域の住民に寄り添い住民の方々が大切にされてきた生活の基盤を紡ぎ直しながら、丁寧に日々の診療を重ね、果ては新たな地域づくりに貢献していらっしゃる姿をお伺いすることができました。

第2回GLOW短期集中セミナー

第2回GLOW短期集中セミナー

【総 括】
1日目の講義、2日目の地域診断ワークショップで理論と実践を学び、さらに3日目に実際に医療従事者として地域に入り地域の住民と共にその地域の健康づくりをされていらっしゃる先生方の現場の生の声を聞くという一連の流れが相乗効果を生み、全体を通して私たちが将来あるべき姿を深く学ぶことができました。

また、3日間の講義だけでなく、地域診断の国際協力への応用を考えるディスカッションやラウンドテーブルでの参加者の方々での対話、そして連日の懇親会を通して、参加者の方々同士で熱い思いがこもった意見交換をしたり、互いの姿に触発されながら各自の地域へ思いをさらに熱くするなど、横のつながりが広く作られる機会ともなりました。開催にあたって至らない点が多々ございましたが、是非今後とも皆様の声をお聞かせいただきこれからも、よりよい研修づくりを目指してGLOWスタッフ一同頑張ってまいりたいと思います。この度ご参加頂いた皆様、ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました!

第2回GLOW短期集中セミナー