第1回SANTE国際保健キャリアアップセミナー

去る2011年11月19日(土)に、川崎市にて「第1回SANTE国際保健・地域医療キャリアアップセミナー国際保健と地域医療の両立は可能か?-両立の意義、楽しさ、難しさ-」を開催いたしました。国際保健・地域医療分野でのキャリア形成のために必要な能力や国内外での経験の獲得をサポートするための研修事業を開始するにあたり、国際保健・地域医療を両立させることの意義や問題点、展望について認識を深めるべく、今回のフォーラムを開催することといたしました。

当日はご応募いただいた若手医療従事者の方25(?)名にご参加いただきました。講師として、自治医科大学地域医療学センター助教 国民健康保険藤沢町民病院にお勤めの高木史江先生にご登壇いただきました。悪天候にもかかわらず、無事に終えることができ、誠にありがたく思っております。

第1部では「スキルアップ!!フィールド調査法~フォーカスグループディスカッション~」と題し、当団体の海外研修内容のひとつでもあり、社会調査手法として国際保健・地域保健医療等のフィールドで用いられる、フォーカスグループディスカッションという調査手法とその分析方法を紹介しました。実際に参加者の皆様にグループ内でオブザーバー、ファシリテーター、記録係に分かれ、地域医療の直面する課題の例として「夕張の医療崩壊」をテーマに、議論していただきました。
軽症でも緊急外来を利用するコンビニ受診や医療費の未払いなど受療行動、医療と福祉、行政の縦割りに分断された役割、そして医療者のモラルなど、地域医療の破綻した要因や文脈を議論し、フォーカスグループディスカッションの方法論を実際の体験を通して学んでいただきました。

第1回SANTE国際保健キャリアアップセミナー

第2部では、国際保健と地域医療の両分野で活躍されている高木先生にご登壇頂き、国際保健と地域医療の両立の意義や楽しさ、難しさをお話いただきました。一見地域医療と国際保健は全く違うもののように思えますが、高木先生はご自身のユニークな知見や経験から、地域医療と国際保健は一貫して「自分が相手に合わせること」、そして「広い視野で“現実”を見て、めざすべきものを考え続けること」が両者に共通している特性だと感じておられるそうです。臨床における時間や体力に制限があること、また職場や家族からの理解が得られにくいことや、長きにわたる海外生活で認定医が更新できないことなど、さまざまな困難に直面しつつも、「“先例はないが大切かもしれないこと”を信じて取り組み続けることに意義ややりがいがある」と、邁進してこられた先生の芯の強さが非常に印象的でした。

第1回SANTE国際保健キャリアアップセミナー

第3部では、第1部や第2部で学んだことを踏まえ、自身の目指す人材像に近づくためには国際保健・地域医療分野においてどのようなキャリアアップが必要かグループに分かれて話し合っていただきました。海外研修のタイミングやその後の受け入れ先への不安、人とのつながりが得られる研修やメンター制度へのニーズなど、生の声を聞くことができました。
この場で得られた若手医療人材のニーズに則り、考案している研修を改善していこうと思います。

国際保健・地域医療分野でのキャリア形成を目指す参加者の皆様から、「モチベーションが上がった」「良い刺激を受けた」など温かいご感想をたくさんいただくことができました。当団体が皆様の情報収集や意見交換の場となり、皆様と共にさらなる成長していける場となれますと幸いです。